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一番の名言は、「ご飯のおいしい家、裁縫の上手な妻のところに旦那は帰って来る」というものや、「自転車には荷物がたくさん積めるように、前と後ろに大きいカゴつけなあかんよ。 自転車は安く物を運ぶためにある」というものである。
人生の先輩であり、女性として、母として妻として、私にとっておばちゃんたちの存在は「わが師」である。 どのおばちゃんも関西育ち、嫁ぎ先は大阪なので、まさに「大阪のおばちゃん」そのものである。
文句が多く、ずうずうしい。 でも、それぞれに編み物やビーズ手芸、洋裁やぬいぐるみ作りなど、とても上手にされるので、「あんたが就職する前に」と、おばちゃんたちがいろいろな手芸の技を教えてくださる。
この秋冬は編み物を教えていただく約束をした。 また新しいことに挑戦できるのが楽しみだ。
職場のおばちゃんたちは、みんな仲がよいかと言えば、そうでもない。 好かれるおばちゃん、嫌われるおばちゃん、両方いる。
そんなおばちゃんたちの実態を見ていて、私なりに「好かれるおばちゃんになるための条件」を考えてみた。 言い訳をしないこと、物事にしつこく執着しないこと、根に持たないこと、責任転嫁をしないこと、誰に対しても公平な立場で優しくすること、などではないかと思う。
この文章を書いた女子学生は、信用金庫に決まった。 アルバイト先でこれだけの人生勉強をするとは、なかなかの人だと思う。
ただ、おばちゃんたちの生態観察をするだけでは「XビールとYビールで書いた人、多かったよね」。 V通信社の面接委員に、こう言われた時、「ああ、しまった」と思った。

V通信社はエントリーの作文の一つに「ナンバー2」を出して来た。 私は、その作文に、し烈な首位争奪戦を繰り広げるビール業界のことを書いた。
だが、面接委員の言葉が言い表しているように、ありきたりの題材だったようだ。 「『なるほど、こういう取り上げ方もあったのか』とうならせるのも、記者のだいご味」と、クラスの先生はあるところで書いていた。
今回のエントリーでは、私は、面接委員をうならせることが出来なかった。 続いて、「なぜ、この話題を取り上げたのか」と面接委員に尋ねられた。
私は正直に、Q新聞に特集が出ていたこと、XビールとYビールのホームページから情報を集めたことを答えた(この通信社の場合、受験希望者にあらかじめ作文の提出を求め、通過した者が160なく、しっかりと職場の人間関係を見通し、ポイントを押さえている。 年齢に似合わない洞察力の持ち主だ。
次は、マスコミを受験した女子学生の作文。 恥ずかしい、と感じた。
この作文は、私が発掘したことではなく、既にあった情報をまとめただけだ。 自分が探し当てたものなら、堂々と語ることが出来るが、そうでないと、説得力にも欠け、インパクトも弱い。
「感度を高めることが、記者としての修業」とも、先生は述べられている。 なるほどと思った。
情報洪水といわれる現代において、価値ある事実を拾い上げるには、良好な感度を持つアンテナが必要だ。 多くの人が通り過ぎてしまうような小さな出来事にも目を光らせ、「ええ話」が転がっていないか、注意して見ようと思った。

今回のV通信社の場合でも、私のアンテナの感度が良好なら、もっと面白い文章に仕上がったはずだ。 どの切り口で迫るかは、その人のセンス、経験の豊かさ、教養の深さ、情報をもたらしてくれる人脈の太さなどにかかっている。
記者になる修業はこれからだ。 いろいろな考えの人たちと出会い、多くの本を読み、さまざまな角度から社会を眺めようと思う。
この学生は、マスコミの春採用試験はすべて失敗。 秋、全国紙にパスした。
面接ではよく、「あなたのセールスポイントは何ですか?」と問われるが、キャンペーンガールなどの審査と異なり、「目です」とか「スタイルです」とか答える訳にはいかない。 あまりありきたりのことも言いたくないし、どうしたら自分を売り込めるのか、頭を悩ますところだ。
と言って、あまり突拍子もないことでアピールしようとしても、相手はなかなか乗って来てくれない。 意外性があって、説得力のある売りがあれば最高だ(この場合も、つくり話を言ってはいけないのは当然のこと)。

こんなことがあった。 あるとき、ある女子学生が、これまでの考えを変えて、シューカツ半ばに「マスコミに行きたい」と言い出した。
新聞社のエントリー受付の締め切り直前だった。 まじめな学生だが、新聞社の試験委員の目に留まるには、もう一つパンチ不足。
記者(だけではないが)という仕事は、取材先に信頼されるだけではなく、人に好感を持ってもらわないと仕事にならない。 人間的な魅力として、プラスアルファがほしい。
こちらもいろいろ知恵をしぼった。 N先生と面談している時だった。
「君の売りはなんやろうなぁ、阪神は好きか?」「はい、大好きです。 小さい頃から、阪神ファンでした」「それや、君の売りは阪神」一瞬で言い当てた先生。
私の忘れかけていた猛虎魂に火がついた。 5、6歳の頃、父が阪神の帽子を買ってきた。
少し大きい兄の帽子と、小さめの私の帽子。 その時の情景をうっすらと覚えている。
その日から、兄と私のトラ生活が始まった。 どこへ行くのも、おそろいでタテじまの帽子をかぶっていた。
兄はいろんな人と阪神戦に出かけたが、なぜか私は、あまり連れて行ってもらえなかった。 そんな私に、兄はたくさんおみやげを買ってきてくれた。

「猛虎」と書かれたハチマキ、メガホン、トラッキー人形……。 たまに実家に帰ると、今でも阪神グッズであふれている。
しかし、阪神はいくら応援しても優勝しない。 出だしは好調、最終的には最下位。
それなのに、阪神ファンは毎年、「今年こそは…」と思いをかける。 そんな「なれあい?」にうんざりしていた。
だが、今年は違う。 何よりも選手の顔つきが変わった。
「星野監督の第一声は『今年は絶対に優勝を狙う』だった。 あれでチームが一丸になった。
今までの監督からは『君たちは弱いんだ』と言われていましたから……」と、浜中選手はインタビューに答えていた。 星野監督は就任後、「基本プレーを怠った者には容赦しない」と言った。
「基本プレー」私たちクラスのみんなは、いつもN先生から聞いている言葉。 だが、スポーツ紙には、珍しそうに書かれていた。
阪神が優勝したときの経済効果は、最低でも7三四億円だと言う。 しかし、まだ6月。
阪神がこれからどうなるか分からないが、「基本プレー」を大切にするチームはきっとうまくいく、と信じている。 「この会社に出合えて、面接してもらえて、うれしいという気持ちで試験に臨む就職活動を嫌だとばかり思っていた私にとって、クラスの先生のこの言葉は衝撃的だった」(別の女子)「最終面接で落とされてよかった、と思った。

それまで会社の名前と給料だけで選び、仕事内容はあまり重視していなかった。 人事の人に『会社に入りたいという気持ちが伝わって来なかった』と言われた時、その仕事をしたくない気持ちに気付いた。
やりたい仕事がしたい」と書いた女子学生。 シューカツヘの姿勢もいろいろだ。
「やりたい仕事は何なの?」。 思わず突っ込みたくなる。
「ある企業のセミナーで、まず『あなたの行動を決定づけるものは何ですか』という質問にあらかじめ答えさせられた。

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